それはゴミ置き場にサンタの衣装が捨てられていたのを見つけた時です。私の住む京都は日本でも間違いなく有数のゴミの量が多い都市です(人口1人当たり換算)。私、ガブリエレ・ハードは、1999年の「無買デー」に、どんなイベントを打とうか考えあぐねていました。そして、そのゴミ置き場を見た瞬間、全てが一つになったのです。
以前、禅をしている知人が「あなたが居る処から大改革が始まるんだ」、「買い物をする人たちの心の平穏を祈って瞑想しよう」と言っていたのを思い出しました。そこには捨てられたサンタの衣装があり、何かやりたいと人々が集まり、そして、ほら、禅タクロースができあがりました。阪急デパートのショウウィンドウでサンタの人形がダンスをしているその前で、禅タクロースはデビューしたのです。
禅タクロースのミーム この話とその時の写真がアドバスターズという雑誌に取り上げられ、世界中に発信されました。そして2000年の「ベスト・カルチャー・ジャミング」のカレンダーに掲載されました。禅タクロースのアイデアは瞬く間に世界にひろがり、英国から沖縄まで、色々な国の都市で見られるようになりました。ページ右上の写真は、イタリア、英国、および台湾で、カレンダーに掲載されたり、クリスマス・カードになったり、ドキュメンタリーの素材として使われたりしました。
世界各地の無買デーの主催者達は、この禅タクロースが何故なら、とてもシンプルだし、道行く人々の足を止め、何事かと思わせる力があるからでしょう。今年の無買デーでも、世界中の街角で、禅タクロースが瞑想をしていることでしょう。